DON Matsuo 3rd solo album OUT on 2014.3.2 !!!





"Magic Mountain" DON Matsuo
DONUTS WORM LABEL (DOWA-10911)

1. Magic Mountain
2. Wake Up Time
3. 3min' Old
4. Stormy
5. Ride My Horse
6. Chase The Line
7. According To Mr. D (come together)




DON MATSUO MAGIC MOUNTAIN TOUR 2014

3.02 (日) 下北沢ベースメントバー
3.06 (木) 京都 NANO
3.07 (金) 広島 ヲルガン座
3.08 (土) 黒崎マーカス
3.09 (日) 長崎パラノイア
3.12 (水) 熊本NAVARO
3.13 (木) 福岡UTERO
3.14 (金) 佐賀RAG-G
3.15 (土) 鹿児島 SR-HALL
3.16 (日) 大阪HARDRAIN

ツアー詳細: thezoobombs.com/tour
メール予約: donuts@thezoobombs.com



DON Matsuo "Magic Mountain" 10万字インタビュー by 麦倉正樹



販売は 通販とライブ会場での手売りになります。



ディスクユニオンでの販売も決定しました
お茶の水駅前店,新宿本館BF,下北沢店,吉祥寺店,立川店
オンライン: http://diskunion.net/jp/ct/detail/1006148006



album review- バンドから自由になったドン・マツオのバンドサウンド

些か唐突な形で届けられた、ドン・マツオのソロアルバム『MAGIC MOUNTAIN』。ブログの日記などから読み取れる現在の心境を鑑みるに、一体どんな音楽になるのだろうか――という 、やや不安な気分で聴き始めてみたところ、これが実に良い感じなのである。冒頭からタイトに刻まれるビートと咆哮するエレクトリック・ギター。うねるリズムの中で大胆にその形を変 えてゆくそのサウンドは、まさしくズボンズ――否、ドン・マツオのそれである。とはいえ、2曲目「Wake Up Time」の英語詞のあいだに挿入される、〈魔法のとけた王〉、〈夢覚めて以降〉、 〈深い森の奥へ〉といった日本語のフレーズは、何やら意味深な響きを帯びているように思えなくもない。あるいは、マッタがリード・ヴォーカルをとる「Chase The Line」のセンチメンタルな調べと、 ドンが奏でる“泣き”のギターソロ。その一方で、これまでに無いほどの軽やかさで歌い上げる「Ride My Horse」のように、どこか新味を感じさせる曲も収録されている。だが、特筆すべきはやはり、最後に収められた 「According To Mr.D(Come Together)」という名の一曲だろう。ズボンズが継承して来たストーンズ的なブルースと後期ビートルズの変奏が、混沌の中で入り混じるような――440(ランドルフ)のドラムを基調に、 ドンのギターとマッタのキーボード、そしてムーストップのベースが生み出すスリリングな展開は、まさしく手に汗握るスリリングな魅力を打ち放っているのだ。ところで、ムーストップ? それってもはや、ズボンズなのではないのか。 否、そんな枠組みは、ほとんど意味を持たない――というか、それこそが本作の何よりもキモなのかもしれない。ソロとしては通算3作目だが、ズボンズというバンドが存在しない状態では初となるソロ作。ドン・マツオの音楽は、 いつにも増して自由で、何よりも抜けの良いものとなっている。ズボンズというバンドを失った彼が、それでも選び取ったバンドサウンド。それが、全体としては明るく抜けの良いものになったというのは、本人的にもある種の発見だったのではないだろうか。 バンドの“キャリア”や“リリース”といった縛りから解き放たれたドン・マツオが生み出した、剥き出しのロック・ミュージック。そこには、痛快さとセンチメンタル、そして何よりも漆黒のグルーヴが、不思議な形で同居しているのだった。些か唐突な形で生み出された本作。 それは、唐突であるからこそある種の“本質”に触れてしまった、そんな一枚なのかもしれない。

(麦倉正樹)




Magic Mountainまでの経緯

2012年6月、ズボンズは10th album"Sweet Passion"をリリース後、北米・オーストラリア公演を含むworld tourを行う。ツアーは6ヶ月に及び、各地で大きな好反応を得るものの、明けた2013年1月・バンドが20周年を迎える年に、オリジナルベースプレイヤー・ムーストップが「これ以上演奏的にクリエイティビティを発揮することが出来ない」との理由による脱退の強い意思を表明し、ドン・マツオも彼のいないバンドを続けて行くことを困難と判じて、Mattaと共に新バンド・The Randolf(ランドルフ)を結成することで、ズボンズは解散することとなった。(最後の作品は2013年6月に発売された"On The Jungle ep"、ライブ活動としては9月の東京公演まで)

一方、ズボンズと並行して自らのソロプロジェクト・DMG(DON Matsuo Group)を名乗り、東京・下北沢周辺の若いインディーミュージシャンたちと断続的にライブ活動を続けていたドン・マツオは、2014年春にソロツアーを企画し、それに合わせる形で新しい音源を制作することを思い立ち、年明けから構想を膨らませていく。(いつものやり方ではあるが)曲も書き上げてないままにレコーディングの日程を決め、ズボンズからムーストップとMatta、ソロ活動から3人が(壊れかけのテープレコーダーズ・小森&44O、ソコラノグループ・大野)を誘い、リハーサル無しの当日1発録音という形で「何が創られるのか?」を試みることにする。作曲から完成まで3週間に満たない短期間で創り上げたが、結果として抜けの良い解放的な「新しいズボンズ」とも言えるような楽曲・サウンドを持つアルバムが完成した。

"Magic Mountain" は、"オレハシナイヨ"、"New Stone Age"に続くドン・マツオの三枚目のソロアルバムに当たる。タイトルは、レコーディングが行われていた期間ドンが読み続けていた、トーマス・マン「魔の山」より。



ドン・マツオ プロフィール

日本を代表するインディロックグループ、ズボンズを94年9月の満月の日に結成。以後、国内でのメジャー活動と共に、98年より海外進出も積極的に行い、New York Timesの一面を飾る。

2006年よりソロ活動も開始。ツアーでは、各地で現地の演奏者とその日限りのバンドを組み、毎回予測出来ないライブを繰り広げる。 2014年、3枚目となるソロアルバムを、ズボンズのメンバー&東京の若手インディミュージシャンと共に制作。時代と共に変化するミュージシャンとしての在り方を模索し、提示し続けている。 69年、長崎生まれ。ローリング・ストーンズとドーナッツをこよなく愛する。






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