今日また無限軌道の上にて。
今日はバンドのリハーサル。
ここのとこはもっぱらアルバムに収録された新曲を演奏することにしている。アルバムを創りあげた、とはいってもステージで演奏するとなるとそれはまったくイチからのやり直しの作業になってくる。つまり、ステージで肉体を持った曲として演奏できるかどうかという事だ。ボクは「曲」をただなぞったような演奏が大嫌いだ。そのアプローチはレコーディングの作業とはかけ離れたものだ。レコーディングで必要なものがライブでは必要なく、ライブで出さなければならない熱量はレコーディングではそれ程必要とされない。その為にボクらはセッセと高校生のバンドがコピーをやるような熱意を込めて「自分達の」曲に取り組む訳だ。まぁ、いずれにしても「熱意」を持って演奏することができるというのは、有り難い事である。それ抜きで演奏しなければならないとしたら、それはまったく無意味な時間を両手に抱えた状態で過ごす事になろう。のっぺりとした巨大な「ういろう」のような虚無である。それって誰にとっても良い事ではない。家で洗濯でもしていた方が遥かにいい。
ここのトコ、不可思議なスケジュールが続いているように思う。やれツアーだ、ソロライブだ、アイルランドのバンドにゲストで入ってRapや、アルバムのデザイン、プロモーションのプランニングだ……(そんな事が本当にあるのです。世界はもはやグリム童話のように単純ではなくなっている。ムム。)。ボクの頭はあっちへこっちへせわしなく行き来している状態だ。とはいえ、何かやる事になってるのであればそれを十全にやり切ろう、というのがボクのポリシーだ。中途半端なドン・マツオなど誰が必要とするだろう?
ボクの乗っている列車はガタゴトと動き続けていて、まったく止まりそうな気配すらない。最近考える事は宇宙の事である。