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2004年11月22日

夏目くんの話。

 下北沢ミスドでポッキーとお茶した後、夏目くんと会った。
夏目くんといっても知らない人もいるかもしれないが、ズボンズのプロモーションヴィデオを第一作目"Highway A Go-Go"から最新作"The Bomb"まで全作品撮り続けてくれている映像クリエイターであるが、本職は映画監督である。(最近では"New San Francisco"のアートワークをやって一躍名を上げた。)だが、ボクは彼の映画を見た事がない。というか、会って7年以上たつというのに、まだ一つも完成に至っていないという、無冠の映画監督である。早く夏目くんの映画が見てみたいと思うのだけれど、ストーリーの断片だけを臭わせてはボツにしているらしい。場合によってはその一部をズボンズのヴィデオに流入したりしている。ボクはずっと主張しているように、人間誰しも持てる才能を生きてる間にできるだけ発揮する事が世の役に立つ術だと信じているので、彼と会うごとに再三に渡って「映画を撮りなさい」と言うのだけれど、未だ実現しない。まぁ、一口に映画を撮ると言ってもその規模の大きさはバンドで音楽を作るのとは大違いだし、そんなに簡単な事ではないのだろうけれど、どうにか実現して欲しいものである。彼は今現在も虎視眈々と作品作りを目論んでいて、今はFree Jazzギタリストの大友良英さんや、その他現在の日本の音楽シーンで(彼が)重要だと感じているミュージシャン数名を中心としたアーカイヴ的な映像を作りたいらしい。それが完成すればどんなにか素晴らしい後世に残る資料になるだろうと思うので、絶対に完成させて欲しいものである。皆さんも見てみたいでしょう?(DVDで作っておけば後々誰でも簡単にコピーできるし、映像も劣化しないのでいいのだ、と夏目くんは言っていた。ね?彼の言う事は真に正しい。今はCDであれDVDであれ簡単にコピーできる事が諸悪の根源かのように言う人がいて、CDの輸入禁止みたい��話まで拡がったりしてるみたいだけれど、何という馬鹿な話だろうか!CDが簡単にコピーできるからこそ面白い音楽が沢山作られていっているというのに。それについてはまた別の機会に。)
 夏目くんと会うといつも長い話になってしまうのだが、今日もなかなか興味深い話をした。その話を一つ一つ書くと長くなってしまうので割愛するが、ボクの一ミュージシャンとしての今後に関する提案があって、それについては熟考の必要があるだろう。内容については今は話せませんが。(ややこしいね)そして話が「神」に及ぶようになるとそこが引き上げ時となる。これはいつものパターン。今日は2時間目にして物理学から神の話が出てきてしまったので、そこでおしまい。そうそう、どういう訳か夏目くんがDon's Choiceの挿し絵をこれから描いてくれる事になりました。楽しみだ。そんな感じでボクも彼の自分に費やすべき時間をどんどん奪い取っていってる訳です。それにしてもいつまでもクリエイティブに関して論じる事のできる友人が近くにいるという事は、実に幸せな事であります。(夏目くんのルックスはボクとちょっと似ていて、オーストラリアに同行していた時にボクと間違えられてしつこく追求された事もある。「あ、ズボンズだ。お前ズボンズのヴォーカルだろ?」「違うよ。(面倒臭そうに)」「嘘付け!ほらそこでさっきステージでやってたみたいにクレイジーにジャンプしてみせてくれよー。」「だから、人違いだつーの。(できるだけ面倒臭そうに)」「またまた、オレの目はごまかされないぜ。普段はけっこうシャイなんだなー。サインくれよ。」「………。(てきとうにサインする)」以上、会話部はボクの想像です。)

 ところで、一日の間には色々な事が起こるものですが、その一つ一つが何か教訓を与えるものであったり、警告やヒントを与えるものであったりするとボクは考えたい。(例えば下駄の鼻緒が切れるのは凶兆とか)それでは、今日何の気なしに買い込んだ品々は一体何をボクに与えてくれるのだろう。また、この一連の品々に何かつながりがあるのだろうか………。(いい加減暇だよね。)
1、ドラム・マジック/ミッキー・ハート(工作舎)……ポッキーに借りる
2、覚醒への旅/ラム・ダス(サンマーク文庫)
3、木の箸2組……2、3共にポッキーが連れていってくれた下北沢の店にて購入。店名忘れる。
4、ミスドにて2005年の手帳……プレゼント用に。
5、Appalachian Spring/Aaron Copland(RCA Victor盤)……吉祥寺ディスクユニオンにて。
家に帰りついた頃にはもうバッグはパンパンに膨れ上がってました。

2004年11月16日

ツアーから一旦戻りました。

 虚脱しております。
このツアー、語るに語りきれないドラマ満載の記憶に残るものだった……。(お、まだ東京方面は終わってなかったっけ)ミフネの高熱に始まり、なによりもドラマー・ポッキーの右足靱帯切断程、切羽詰まった事件はなかっただろう。しかし、ポッキーには悪いがボクはそれを大いに楽しむ事にした。ショウをキャンセルするどころかよりパワーアップすべく、盟友Limited Express(has gone?)のナラザキくんを呼び寄せ、ハプニングを起こすべくワザと細かい打ち合わせ無しで瞬間をすべて良い方向にもっていく努力をし続けました。結果は素晴らしかった。このツアー、すべてのステージが内容を忘れてしまうくらい(?)素晴らしいものだったのだけれど、14日の大阪は、やはり特別だったと言わざるを得ない。お陰でボクはもうクタクタに疲れ果ててしまった。(最近の疲れ方は以前の疲れとはまるで質の違うもので、フィジカルなものでないだけに、なんと言うか、体に頭にベッタリと染み付いてしまうような類いの疲れなのだ。読んでも分かりづらいだろうけど。)
 思うのだけど、どんな事態に陥ってもその現状を受け入れる事ができればそれを良き方向にもっていく事は可能なのだ。自分の「かくあるべき将来」を想定せず、とにかく「今現在」にフォーカスする。そして「今現在」をできるだけ良くするよう行動する。これに尽きると思う。いや、勉強になった。ありがとう、ポッキー。もちろん、メンバー&スタッフにも感謝である。しかし更に考えると、それもあの会場、あの観客でなければ、ああ上手くはいかなかった。それにも感謝せねば。更に更に考えると、前日が福岡である必要もあるだろうし(うどん)、その前日が広島であった事も(お好み焼き)………、と考えると全てに感謝せざるを得なくなる。すべての偶然に見える事が必然だと捕らえると、もうこの世の中感謝する事ばかりである。でも、怒りまくる人生より、感謝しまくる人生の方がより良いとボクは個人的に思う。うん、その方が自然だ。
 そんな感じで、ひょんな事からバンドの結束、信頼関係がものすごく高まった、自分達の為になるツアーでした。活動の可能性も拡がった。これから年末にはまた関西/鹿児島/盛岡、来年には韓国、カナダ/北米ツアーと面白そうな活動が控えてるし、このツアーでの経験で得た教訓を活かして、楽しむのだ。(東京/横浜も、ある。)何事も教訓のある事は良い事である。

2004年11月05日

ここ最近起こっている事は。

 最近、ライブに出かける機会が増えている。ここにきてボクにとって音楽が実にエキサイティングに動き始めている証拠である。今月だけでもあとEmergncy!@Pit in、アート・リンゼイ@Unit、カンテーファン(日韓文化芸術フェス)@TFMホール等が控えている。ツアーもあるというのに、忙しい。昨晩もNHKまでGhost/Ces Chiens(早川義夫/佐久間正英)を観に行きました。素晴らしかった。良い音楽は未だ現在も溢れている。
 ちょっと前、ムーちゃんことリョーちゃん(ナンノコッチャ?)と某ロックバンドを原宿まで観に行ったのだけれど、あれだけ興奮させられたバンドが、まったく何のエキサイトメントも持たない、ただのアメリカのバンドに成り果てていたのは、悲しかった。ボクとリョーちゃんは苦笑→無言→イライラ→早くお家に帰りたい(もしくは今日の晩飯なんだっけ?)状態へと突入していたのでした。その前にも某ロックフェスに出掛けて失意満タンで帰ってきた事もあって、「実際ロックなんていうオンガクは終わってしまっているのではなかろうか?」とボクが考えたのも無理のない話である。(スマン、なんか文体が変な気がする。あまり寝て無いもので……)ところが、同時期に観れたKiLAやThink Of One、Brandon Rossのライブは本当に素晴らしく、また自分�ライブラリーの中から再発掘(?)されたOrnette ColemanからそれにつながるFree Jazzのミュージシャン達、はたまた日本の素晴らしいJazzのプレイヤー達などと驚くべき嬉しい発見が相次ぎ、いきなりボクの人生にまた音楽が溢れだしてきたのである。しかもよりいっそう輝きを増して。
 ボク個人、自分のやる音楽がエキサイティングに変化してきているのを認めないわけにはいかない。しかしそれは、ズボンズという単体で起きている変化ではなくて、どうやら全世界で同時多発的に起こっているようだ。(いや、もうとっくに起こっていたのだ!ボクが気付かなかっただけだ。)見回してみると、素晴らしい音楽がイッパイではないか。これ程嬉しい事はない。過去の興奮をアップデイトしただけのロックなど、ボクには必要ない。(Rolling Stonesがいるじゃないか!)興奮させてもらって、更に違う場所へ、新しい価値観へと連れていって欲しい、ボクはそう思う。(キーワードはパーカッションであろう。これについてはまたいつか、できれば良く寝た後で書いてみたいと思う。)
だから音楽はボクの人生に切実に必要とされているのである。そして、この変化はより人生に深くかかわってきて、面白い事になってきているのに、気付いてきた。

Gohst: http://www.ab.cyberhome.ne.jp/%7epochamal/